水洗トイレ ~イギリスのやらかし系貴族が発明したエリザベス女王のお気に入り~
- 2015/08/28
- 02:54
いかに中世ヨーロッパが汚かったか

すみません、今回は汚い話です。
昔のイギリスやらフランスは、町中ウンコだらけでした。
つい2,300年前まで、ほとんどの街にはトイレも下水道もなかったのです。
トイレはおけやバケツにして窓から捨てるか、野ぐそを垂れるかのどちらかでした。
もちろん、道はウンコで山盛りになり、歩くことさえ難しい場所もあったそうです。
そうして生まれたのが「ハイヒール」だと言われています。
優雅に見えるハイヒールも、もともと足にウンコを付けないために発明されたのです。
偉い人になると、ウンコを踏まないように、付き人におんぶしてもらって移動していました。
あー・・・
夜中にウンコの話書くと、普段の3倍くらい気力を消費する気がします。
さて、漫画にでている「ガーディールー!(Gardy Loo!)」ですが、これはフランス語で「水に気をつけて」を意味する「Gardez a l'eau」が英語風になまったものです。
イギリスでLooといえば、水でなくウンコを指します。
そういえば、ガンダムSEED DESTINYでガーティー・ルーとかいう地球軍の戦艦がでてきました(ザフトからは「ボギーワン」とか呼ばれてたやつです)が、これ意識してるだろ絶対。
Vガンの「コンティオ」レベルの下品さですね。
(調べたら外人も同じことネタにしてました)
水洗トイレの発明者、ジョンハリントン卿

今回の主役は、イギリスの宮廷詩人ジョン・ハリントン卿です。
詩人と言ってもドラクエの吟遊詩人みたいなものではなく、海外の文学の翻訳や王族の教師として活躍し、戦乱時には騎士として闘ったバリバリの貴族です。
(漫画でも書きましたが、ハリントン卿の肖像画はアノニマスの仮面にそっくりだと思いませんか?)
しかし、このハリントン卿はお騒がせなところがあったようで、卑猥な詩の翻訳をして城内の風紀を乱したかどにより、時のイギリス女王エリザベス1世に一度追放されています。
ただし、女王はその際、同じ作者の別の詩を翻訳すれば許してやるという粋な計らいをします。
ハリントン卿は見事その役目を果たし宮中に帰り咲いたのです。
とはいうものの、前科者であるハリントン卿は、名誉挽回をする必要がありました。
そのため、彼は女王を自宅に招待します。
彼には女王に見せたいものがあったのです。
それが、彼自身で発明した世界初の水洗トイレでした。
ハリントン卿は、非常に綺麗好きな人間として知られており、当時貴族でも1ヶ月に1回しか入っていなかった風呂に、彼は毎日入っていました。
その綺麗好きが、水洗トイレの開発に繋がったのです。
女王が水洗トイレを気に入る

ハリントン卿のトイレに女王はいたく感激し、早速同じものを宮中に作るようにと命じます。
こうして、詩人ではなく発明家として、ハリントン卿の名声は再び広まるようになりました。
ハリントン卿、再びやらかす

・・・と、これでめでたしめでたしなら良いのですが、もともと下ネタ大好きなところがあった彼は、ここで再びやらかしてしまいます。
彼は自分の発明したトイレに「Ajax」と名付けていました。
そして、自分のトイレを宣伝するため、「The metamorphosis of Ajax(トイレの変態)」という本を書きます。
この変態は、そういう意味の変態ではなく、芋虫がチョウチョになる的な変態ですよ!
ここで、いかに水洗トイレがいかに素晴らしいかを自画自賛し、公衆衛生に寄与するなどもっともなことを述べるのですが
まずかったのは、政府批判、風刺をいれてしまったことです。
また、エリザベス女王が水洗トイレを使っていることを揶揄する記載もあり、女王を激怒させてしまいました。
結果、ハリントン卿は再び追放されてしまいます。
不運なことに、水洗トイレはその後も流行らず、彼の自宅以外に唯一設置されていた城のトイレも、革命によって打ち壊されてしまいました。
水洗トイレが再び世に出るのは、それから200年後の1700年代となります。
しかし、ハリントン卿の名前は、イギリス人の記憶にしっかりと残っています。
なにせイギリスでは、今でもトイレのことを「ジョン」と呼ぶそうですから!
汚い話におつきあいいただき、ありがとうございました。
それではまた次回。

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